2014年2月3日月曜日

【フィットネスクラブが提供しているのは、 健康ではなく、”居場所”なのではないか?】




業界は、いわゆる"3%の壁"を越えられていない。

ィットネスクラブの市場規模が4100億円前後で
頭打ちの状況が続く中、現状打破を目指す
大手各社の路線の違いが鮮明になっている。

http://goo.gl/eoBEor


記事には、各社の対応策が載る。

自分が、この業界に携わっているので、
気になりつつ、この記事を読んだ。

特に2点。

①潜在的に、2倍の需要があるとすれば、
掘り起こせていないのは、なぜか?

『日本生産性本部によると、エアロビクスなどフィットネス
関連分野の参加率(総人口に占める会員数の割合)は
12年に4.1%で、参加希望率の8.2%と開きがある。』

②値下げで会員が増えるとは限らない。
では、どうすればいいのか?

「この業界では値下げで会員が増えるとはかぎらず、
顧客は最初のプランを容易に変えない」』

①について、一言で言えば、「ギャップだ。

少なくとも、ニーズがあるのだから、
消費者側と、提供者側の間に
解消できていない溝をどう乗り越えるか、だ。

業界の内外において、試行錯誤をし、
ギャップを埋める萌芽も見えつつあるが、
現状では、フィットネスクラブの総人口の
参加率は3-4%の壁を越えられていない。

ただ、この周辺には、1度通ったが、
やめてしまった層が、かなりいると思う。

このあたり、ギャップを解消するのは、
思いのほか、戸惑っている。

②について、一言で言えば、「価値提供」だ。

「価値提供」を考える前に、
『3つの差別化戦略』について、
お話ししたい。

差別化戦略とは、お客様に自社・自社商品を
選んでいただく必然性を作り出すことであり、
視点を変えれば競合とどう戦うか、ということです。

そのための3つの差別化戦略の軸

1)手軽軸:早い、安い、便利、で差別化
2)商品軸:高品質、最新技術で差別化
3)密着軸:顧客の個別ニーズに応えて差別化


記事の施策は、ざっくり言えば、
①低価格化、②24時間営業化、③専門特化。

先ほどの3つの差別化戦略に照らすと、

手軽軸…気軽に通える低価格。通いやすい営業時間。
商品軸…ヨガなどの専門特化。
密着軸…ここでは、該当なし。例)パーソナルトレーニングetc

と考えられる。
軸としては、悪くない。

ちなみに、スポーツクラブ業界で、
注目を浴びているところは、どういったところか?

【成果保証型ダイエット ライザップ】

【サーキットトレーニング カーブス】

この2社の面白いところは、
提供する商品
提供する人へのサービス
軸をわけ、両立できているところだ

通常はそうではない。

なぜか?

例えば、「商品」が気軽軸の場合、
いわば、効率性で、その特性を確立しているため、
本来「人へのサービス」が、密着とは、
なかなか相容れないからだ。

もちろん、この3つは、併用も可能なので、
最初から、ムリな話をしているわけではない。

話を戻す。

「商品」を見た場合、
成果保証型のライザップは、いわば商品軸
女性専用、サーキットトレーニングの
カーブスは、いわば手軽軸だ。

しかし、

「人へのサービス」は、密着
寄り添うことにかけては、共通している。

それは、お客様を、お客様として、
最高のおもてなしを提供する、
商品軸ではないということだ。
言うなれば、仲間、家族、生徒に近い関係だ。

これが、スポーツクラブに、健康ではなく、
コミュニケーション、いわば"居場所"を
求めていると思う理由だ。

つまり、"健康"を切り口に、
新しい仲間や、仲間を作るきっかけを
求めているのではないか?

もしくは、"仲間"というきっかけが、
運動を継続させてくれているのかもしれない。
ちょうど部活をやめにくくなる状況のように。(^_^;)

もちろん、アンケートの回答に、
そんな答えはあまりでてこないだろう。

ただ、ここ以外の成功している企業の事例も、
合わせて考えると、そう思えてならない。

だから、人に密着しない24時間化や、
単なる低価格化は、フィットネスの初心者に、
受け入れられるかは未知数だ。

もちろん、クラブに通ったことがある上で、
時間の無い層や、価格が安い方がいい、
まわりに人がいない方がいい人には
喜ばれるかもしれない。

いずれにせよ、フィットネス業界が、
3%の壁を抜け出すには、

多様なプレーヤーの、
多様なアイデアが必要なことだけは、間違いない。

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