2013年5月1日水曜日

【新たな時代の、新たな編集者が、新たな創作活動を支援する。】


「編集者って、面白い。」
東京編集キュレーターズ”の
4回編集キュレーターアカデミーに
参加した
感想を一言で言えば、この語につきる。

作家エージェント会社コルク 
代表の佐渡島庸平さんと、
“東京編集キュレーターズ”、
主幹事で、LINE執行役員の田端信太郎さんの対談をお聞きした。

編集者の仕事には、いろいろある。
その中でも、「雑誌付編集者」と「作家付編集者」は、
同じ編集者でも、仕事はまったく違う。

「雑誌付編集者」で、イメージしやすいのは、元講談社の「樹林伸」さん。
一定世代以上男子には、MMRの「キバヤシ」という方が通るかもしれない。
わかりやすく言えば、漫画作家の原作に、インスピレーションを与える立場だ。

それに対して、「作家付編集者」は、どちらかというと、
作家さんのいい原稿が書ける環境を整える、
サポート、プロモーションに重きを置く立場だ。

今回のテーマは、『うまい編集ってなんだ?~プロとアマの境界線~』だったが、
今までの「編集」という枠にとどまらず、話はどんどん膨らんでいった。

TVCMを製作するのに、広告主は、たくさんのモニターを使って、ABテストを行う。
もし、振るわない結果になれば、作り直すくらいのことはする。そんな時代に、
1人の編集者が、作家に対して最善の価値を生み出せると言えるのはなぜか?」と田端さん。

「プロモートするのが、一番大事な仕事です。
また、かっこいい人でも、出かける前に、鏡をみるでしょう。
その鏡の役目になれると思うんです。悩んだところの濃淡なんかは見えるので。」と佐渡島さん。

つまり、一番作品を理解している人間が、
その作家を一番応援できるのだ、という自負があるのだ。

作家を支える出版社には、先にあげた以外にも、様々な仕事がある。
校正する仕事、販売を担当する仕事、著作権管理の仕事など、
守備範囲は広く、他部署にまたがる。でも、そのリレーションが機能しなければ・・・。

「才能に惚れ込んだ作家を全力でサポートしたい。」

そう感じた佐渡島さんは、“作家をサポートする仕事”を、
新しく“編集”し直したのではないか。
自分が、人生を賭けて、勝負するために。

お話を聞きながら、新たな編集者の「3つの側面」に気づいた。

・冒険家(多数の中から、綺羅星のような才能を見つけ出すという意味において。)
・宣教師(その作家の作品を信じ、広めるという意味において。)
・擁護者(ライセンス問題など、その作家を守り、支援するという意味において。)

今まででも、鑑定士のように才能を峻別することも、
研磨士のように才能を磨くこともあったかもしれない。
でも、それだけでは、何か足りないと思ったんでしょうね。

これからの電子書籍、グローバル化、多メディア化など
新しい時代の、新しい創作活動の現場においては・・・。


対談の中で、『そもそも21世紀に編集者は、必要なのか?』という質問がなされた。


誰でもブログやWEBサイトなどで発信できる時代に、
“編集者”が求められるなら、どういう役割か?


それに対して、身を以て、“Yes”と証明してほしい。
惚れ込んだ作家の新しい創作活動を精一杯応援し、
素晴らしい作品が生まれることを通して…。期待しています!



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