2014年6月15日日曜日

ちょっと気になるアート入門25「こども展」

◆パリで約20万人を動員した『こども展』


先日、『こども展』を紹介する、
ブロガーイベントに参加した。

この『こども展』は、パリで
約20万人を動員した展覧会を
日本版にアレンジした企画展。

モデルは基本、可愛い子供ばかり。
(※1)

この「こども」という切り口を
モネ、ルノワール、ピカソ、、、といった
錚々たる画家約50名が競演する形だ。

◆異彩を放つ1枚の絵

アンリ・ルソー『人形を抱く子ども』
さて、中に入ってみると、
異彩を放つ1枚の絵に出会う。

「なんだろう、この違和感…」

座っているような、立っているような、
怒っているような、泣き出しそうな、
なんとも言えない表情をしている。

よくわからない。

なぜ、ここに、この絵があるのか?

そんな違和感を抱えながら、
他の絵を見て回る。

◆絵を理解したがるのはなぜか?


ピカソ。

ここで、展示されている作品は、
フロンソワーズ=ジローとの間に、
恵まれたクロードとパロマに、
関わりの深いものだ。

そういえば、ピカソは
このようなことを言っていた。

人はなぜ絵画を理解したがるのだろう。
だれも小鳥の歌を理解しようとは思わない。
草木や花を理解しようとせずに愛せるのに、
なぜ、絵画となると人びとは理解したがるのだろう。

ここでいう“理解”は、“解釈”と
いうくらいの意味だろう。

僕らは、何かにおいて、
理由をつけて、自分の中の
引き出しに入れようとする。

その引き出しに入れる際の
名付け、タグづけこそが、“理解”だ。

おそらく草木や小鳥の歌を、
引き出しに入れておこうとしないのだろう。

ありふれすぎて、
あるいは価値を認めようとしないがために…。

さてさて、あの絵は、
なんなんだろうね…。

気にはなりつつ、
他の絵も見て回る。

◆こどもを悪魔から守る


ルノワール。

彼には、3人の子どもがいた。

左:『遊ぶクロード・ルノワール』 右『道化姿のクロード・ルノワール』

このこどもの絵を見て、気がついた。

男の子が、女の子のように
育てられている。


昔、乳幼児死亡率が高くて、
“小さな男の子は、悪魔に連れていかれる”
まさに、シューベルトの『魔王』の世界を
リアルに信じる時代がそこにあったのだろう。


シューベルト:魔王


ルノワールに関して言えば、
黄金色の子供の髪を描きたかったとも、
子どもの頭を守るためとも、
言われているらしい。

まぁ、その部分も否定はしないが、
こどもが成人するまで成長することを
“神にも祈る”気持ちだったことは
事実だったように思う。


◆ルソーが描いたのは誰か?

アンリ・ルソーの最初の絵に戻る。

ルソーは、7人の子供中、6人を
幼くして亡くすという不幸に見舞われている。
そして、この絵はモデルはよくわかっていない。

ただ、僕自身は、こう思う。

“お父さん、女の子の格好をしたけど
 僕、死んでしまいましたね”と、
隠世(かくりよ)の息子から、
届けられた(と感じた)やるせない
気持ちを描いたものだと思う。

つまり、ここで描かれている
『人形を抱く子ども』は、“男の子”

“男の子”が“女の子”の
格好をさせられている、
だから不機嫌に見えるんだ。

祈った神にも見捨てられた絶望感

いや、それをも飲み込み、
救われない我が子と離れなければ
ならなかった父親としての
怒り、恨み、哀しさを、
あの表情にこめたのだ。

いわば、あの絵は、ルソーと、
“亡き我が子との対話”である。

ピカソのように、“受け止め”た違和感を
僕は、そのように“理解”した。

宗教にも、哲学にも、アートにも、
“違和感→理解”はある。

何を“受け止め”、
どう“理解”するかは、
全てあなた次第・・・。

一度、絵を目の当たりにして、
“違和感→理解”を
体感されてはいかがでしょうか?



===============

『こども展 名画にみるこどもと画家の絆』

開催期間 2014年4月19日(土)~6月29日(日)※会期中無休
場所  森アーツセンターギャラリー
開館時間 10:00~20:00
http://www.ntv.co.jp/kodomo/index.html

【プチ情報】
朝早く行くか? 夕方行くか?

開演10:00から先着50名、
17:00以降からの先着30名に
プレゼントがあります。

同じ足を運ぶなら、お時間を
ご調整されることをお勧めします。


※1 最後にクイズを1つ。

Q.「こども展」なのに、
大人の絵が1枚あります。

それは、誰が、
描かれたものでしょうか?

こども展の中にある唯一の大人の女性、さて誰を描いたものでしょうか?答えは会場で。

※2.写真は、美術館より特別に
写真撮影の許可得ています。

2014年5月25日日曜日

【「捨てる」こと「捨てない」ことの判断軸】

園山征夫さんの新刊『礼節と誠実は最強のリーダーシップです。』は
もう、読まれましたか?

園山さんは、当時経営危機の
ベルシステム24の立て直しを託され、
1986年専務、87年43歳で同社社長に就任。

就任早々、社員に「6つの約束」として、
会社の将来像を示し、94年に店頭公開、
99年に東証一部に上場を達成されます。

その会社に、僕自身、1996年に入社。
98年に、今の会社を設立するために退社しましたが、
それまでの期間において、「園山イズム」の薫陶を受けました。

この本は、園山さん自身の若いころ、
自分一人の失敗が、上司や同僚、部下、
時には取引先などたくさんの人を巻き込んでいること、
この人たちの協力を仰がない限り失敗から事態を
回復できないという当たり前のことに気づいた経験からきています。

そして、ミドルマネジメントのリーダーが、日常的に、
直面するもろもろの業務や事象を横軸にして、
礼節と誠実さをもった対応方法の具体例を縦軸に示し、
この交錯するところでビジネスマンとして望ましいリーダーシップを
テーマごとに浮き上がらせる構成になっています。

とても読みやすい平易な文章に込められた知恵は、
読めば読むほどに味わい深いものであると気づかされます。

【ささった言葉】
・小事は大事
・(会社の成長について)踊り場に長く滞在しないこと
・(トンガリ(とがった)社員)個別のテーマを与え、時限を守って報告を受ける
・仕事の全体像を示す
・息抜きのイベントを催し、コミュニケーションを良くする
・視点を変えて、繰り返し話し合う
・ローテーションを組む
・感謝の気持ちを物で示す、全社での表彰をする
・湿り気のある関係 
・じっくり考えて「やらないこと」を明示する
・情報を伝えようとしすぎると、説明部分が欠落しがち
・撤退ハードルを明確にし、「撤退する」と宣言する
・「最初に、適切に仕事をする」
・「常に目的意識を持って仕事をする」
・「単純な答えには意外に嘘がない」
・「“事を行うに当たって、一番大事なものは、『気魄』”だ」
・いきなり高すぎるハードルを設定していないか

ミドル層を対象に、とありますが、
階層を問わず、一度、手に取り、
自分の状況と照らし合わせてみることをおススメします。

さらに、ゴージャスなことに、
園山さんが、質問に答えてくれました。





Q【園山さんへの質問】

「無用の用」も、考えるとやはり捨て切れないのです。
そのあたりのバランスというか、エッセンスを、またお聞かせください。





A【園山さんからのご回答】

「得ること」と「捨てること」のバランスが大事ですね。

http://www.yukio-sonoyama.com/column/1182.html



「得るもの」:信頼、信用、部下の「頭の中に潜んでいる知恵」
「捨てるもの」:過去


などありますが、皆さんはどうお考えになりますでしょうか?


2014年5月3日土曜日

【それでも僕は夢を見る 「夢との向き合い方」を描いた物語】
























夢はいつも僕を裏切る。

第一志望には受からなかった。

好きになった人には
振り向いてもらえなかった。

やりたい仕事に
就くことは
できなかった。

でも、
夢(こいつ)は
僕のそばにいて
能天気に僕を
はげましてきた。

大丈夫、大丈夫!
コピーの取り方しだいで
出世も全然あり得るよ!

この女の子、絶対、
君に気があるって!
だって絵文字多いもん!

やっぱり
企画の才能あるねー!
次の人事異動で確実に
抜てきされるよ!

でも
でも
でも
でもー

まだまだこれからだよ!
がんばれば
夢は必ずかなうから!

ファイト!
ファイト!

でも、
もう限界だー。

これ以上、
君と一緒にいても
苦しいだけだから……

僕は夢を、
捨てた。

……………
もって、
あと3日だろう。
親族にご連絡を

身寄りの方は
いないそうです。

ベッドの上に
身を横たえた私は、
これまでの人生を
振り返っていた。

そのとき
私の頭に浮かんでくるのは、
なぜか、何かを夢見て
悪戦苦闘した日々だった。

かなわなかった夢なのに
あの日々が輝いて見える。

夢は、
捨てるべきじゃ
なかったのか?

いや、もうよそう。
すべては終わったことだ……。

==================
このあと続く物語で、僕らは気づく。
夢のなんたるかを・・・。

かなわないから、夢を捨てるべきなのか?
死の直前に叶わぬ夢を見ることは無意味なのか?

あなたは、どう思いますか?




2014年4月25日金曜日

第146回ドラッカースカイプ勉強会 夢のある社会を作るには、いま、ここから始めるしかない。ドラッカーとギデンズとアドラー


第146回ドラッカーSkype勉強会に参加しました。


4月24日企業の社会的責任 意図がよくても責任を果たしたことにはならない

4月25日スローン流社会的責任論 責任なき権限に正統性はなく権限なき責任にも正統性はない。

4月26日貪欲と腐敗 バブル時は怪しげな者までトップにのぼる。

4月27日企業倫理の間違い
いわゆる企業倫理論は、いかなる理由からか
倫理にかかわる一般のルールは企業に適用されないとする。

4月28日 社会的責任と倫理
企業倫理とはカズイストリー(決疑論)である。

4月29日プロとしての倫理
知りながら害をなすな。

4月30日雇用不安が社会を不安定化する。

今日は、この範囲を俯瞰しつつ、
気になるところをディスカッションしました。

少人数ならではの濃い討論で、
いろいろな気づきを頂けましたので、
少しシェアしたいと思います。

権限と責任と自由のトライアングル

権限ー(正統性)―責任
 ヽ        |
 (倫理)   (能力)
    ヽ     |
     -- 自由

のトライアングル。


責任と自由の間には、能力が必要でしょう。(4月24日)
権限と責任の間には、正統性なるものがあるでしょう。(4月25日)
権限と自由の間には、倫理があるのではないか?(4月28日)


あてのない生贄と罪人探し・・・

・社会は何か1つの原因で悪くなっているわけではないのに、
何かの原因を探ろうとしている。

経済的な不安ではなく、心理的な不安が社会を不安定化する。
恐怖をもたらす。しかも、その恐怖は未知にして 
予測不能なものであるがゆえに、生贄と罪人を求める。 

ここで、アンソニー・ギデンズ(アンソニー・ギブンズとも)の話に・・・。

人々は身分制を手放し、自由を手に入れたが、
自分の規定の仕方がわからない。
いわば、三角形の身分制が、180度反転させた
逆三角形の不安定な状態が自由を手にした個人の状況だ。
ゆえに、他者により自分を規定してもらうために、
「承認」を求める。不安だから。
結果、あてのない「自分探し」が行われる…。


「罪人探し」に対する処方箋をアドラー心理学に見る。


・アドラー心理学は、原因論ではなく、目的論。


夢のある社会を作る。
その目的のためには、どうすればいい?
過去をサンクコストとして、なかったものにする。
原因が過去にあって、
トラウマ→現在(原因論)、ではなく、
いい未来を作る目的のために、
過去を断ち切って、ビジョンを明確にする。

そのためにも、
ここから始めるしかない。


そんな当たり前のことに
気づかせてくれた勉強会でした。

2014年4月24日木曜日

【オドロキの「お役所仕事」 お役所+企業=CSV】驚きシリーズ5

【すごい「お役所仕事」】

長野県「地域発 元気づくり支援金」活用事業
『健康産業に関する市民ニーズ調査報告書』概要版を読んでいる。

これが、めちゃくちゃ面白い。

長野県松本市で実施された介護現場の周辺で
どのようなニーズがあるか、介護現場に精通し、
実情を総体的に把握しているケアマネジャーに
対するインタビュー調査だ。



【医療・介護周辺サービスとは】



本文より引用する。

□医療・介護周辺サービスとは
医療・介護周辺サービスは
公的保険制度や行政サービス企業が収益事業として提供しているサービスのに位置するサービス

まさに、三遊間!!

守備範囲を少し広げれば、
強くなれるチームがたくさんある。

【課題】
□民間企業による市場化されていない
□サービスが提供されず、消費者が
 がまんしている状態にある

がまんしている状態にある?!!!

【方向性】
□民間企業の新たな参入が期待されている
□行政と民間の連携による対応が必要
つまり、官民一体になれば、
できることはたくさんある。

即ち、このような社会の問題が解決されれば、
マイケル・ポーター教授が提唱している
CSV(Creating Shared Value=共有価値の創出)」の
実現と言える。

まさに、全世界的規模で求められている

石川大雅先生に仰っていた
“戦略の前に、方略”が、ようやくわかった。

戦う場所、そこでの戦い方
考える前に、
方向を考えよ。

企業は、世間体という社会を
自らの動きを縛る縄、規制のように
とらえていた気がする。

でも、そうじゃない。

社会vs企業ではなく、社会with企業
そう、自らを方向づければいいんだ。

また、三方よしという言葉は知っていても、
どこかを押せば、どこかが引っこむ
ゼロサムゲームのように
とらえていたところはないか?

違う、プラスサムゲームだ!!

【CSV 解説動画 GE、ネスレなど事例も紹介】



「企業は様々の社会課題は利益への脅威だから、
関心を持つべきだとされてきました。

しかしこれら社会課題がむしろ企業にとり機会だとしたら?
世界がより良くなるばかりでなく企業の利益も増えます。
もし社会課題を無視したら、あなたのビジネスは危機に瀕するでしょう。
もし社会課題に向き合ったら、同業他社よりもビジネスは秀でるでしょう。
この事は夢物語でなく、現実なのです。マインドセット(心がけ)を変えねばなりません。
目の前の事よりも、長期的な視野が必要です。
この事を共有価値の創造(Creating Shared Value, CSV) といいます。

「お役所仕事」って、バカにするヒマがあったら、
参考にすべき「お役所の仕事」で、
自らのビジネスに活用すべき点を見つけるべき、
そんな気持ちを強くさせる資料でした。

2014年4月21日月曜日

【オドロキのゆるさ じわじわくる広告 】驚きシリーズ4




自慢は44店舗の自信から生まれます。

料理と大道芸、全然関係ないやん!!

かくし芸か!

“自慢”つながりか?

とつっこんでいます。(=゚ω゚)ノ

このツッコミ放題のビジュアルが
なんかじわじわくるんですよね。
きませんか?

ある意味オドロキですよね。

このゆるさを計算しているのなら、
すごいなー。


ゆるキャラからゆる広告の時代へ

時代は変わってきたのでしょうか?








2014年4月19日土曜日

【オドロキの収納 銀座のカバン屋さん】 驚きシリーズ3

銀座で変わったカバン屋さんに入った。

収納がすごくコンパクト!
だから、多品種置ける!
さらに、サムネイルで中身がわかる!

こういうディスプレィ―の発想は、
どこから来たんだろうか?

シャツからかな?

それをカバンに応用すれば、
こういうカタチになるんだな、と思った。

売れ筋をたくさん置いて、
たくさん売るというよりも、
お気に入りのを、「一品もの」として売る。

恐らく店の中には、1点しかないから、
希少価値を感じてもらえれば、購買にもつながる。

カバンという商品であり、在庫というものを
「モノ」を置くスペースは店舗には必要。

商品は、お客様にディスプレーしたい。
在庫は、奥においておきたい。
その解決策として、こういう収納&ディスプレー。

捨てたのは、「売れ筋をたくさん売る」という戦略。
採用したのは、「一品ものを多品種売る」という戦略。

多品種の一覧性、検索性を
高めるといった機能性が高く、
整頓されたからビジュアルからくるイメージ、
希少性による購買動機を向上させる「ディスプレイ戦術」
なかなかいいと思います。

【メリットまとめ】

一覧性、検索性の高いディスプレー。
多種類アピール→他店で探す意味、手間をなくす。

②希少性アピールによる購買への誘因。

在庫のスペースがないことが、逆に売りになる。

③スペースが有効活用できている、と
 思われることによるイメージアップ。
店舖スペースにおける有効活用の究極は、
売上の最大化なので、実際は、他のやり方との比較が必要。)



他業種で言えばどうなるか?


※スポーツクラブの場合

提供できる運動指導メニュー×インストラクター
をマトリクス上で表記。

パーソナルトレーニングを受けたい
インストラクターを予約できる。

※ラーメン屋さんの場合

トッピングの残量を札みたいにするのどうか?
“ちょっと頼んでみるか”を促進する。

(確かお寿司屋さんは、札でネタのある/なしをアピールしてる)

本来、バックヤードに置くべき在庫を
アピールすることで、お客様に
メリットを感じてもらえることはなんだろうか?

なんかヒントがいろいろありそうですね。






2014年4月12日土曜日

【弱くても勝てます】に見る「 弱者の戦略」と「1歩目の戦術」

主演 二宮和也 



原作を知っていたので、
ドラマ化の1回目を見た。

大学の研究者閉鎖に伴い、
母校の教師となった主人公。

高校時代の苦い経験から、
最初は、拒んでいたものの、
校長や生徒に請われて、
野球部を手伝うことになって…。

というのが、あらすじ。

面白かったのは、
「弱者の戦略」と
「1歩目の戦術(アプローチ)」。

状況:部員不足の野球部。
人材獲得をどう考え、行動したか?


他の運動部のエースを
探そうとする部員に、
「弱者」故に、(戦略として)
くすぶってるやつを探せと指示。

理由:エースは、そのクラブが
手放すはずがないし、
本人も辞めてまでマイナーな
野球部に来るはずがないから。

そして「1歩目」の戦術として、
・指揮者をやりたいシンバル奏者

→バッターボックスは、
1人で全員が立てるとスカウト。

・勝ち切れない短距離走者

→50m走で、途中の43mで失速。
塁間は27.431m。
この距離は、無敵とスカウト。

・野球は下手だが、得意だと言う
フライが取れないライト。

→お前は、味方の球は取れるとピッチャーに。

それぞれの「目立ちたい」
「勝ちたい」「野球したい」に
持っているもので貢献させる。

状況:勝てないチームで、人を集め
試合することに意味があるのか?
との部員からの問いかけ。

野球部が、野球をしていない
状況はどうだ。

「弱者」故に、(戦略として)
まず、「1歩目」の戦術として、
野球部になろう。

今は戦力を求める時じゃないと。
勝ち負けはそれからだ。

…………………

これは、ビジネスにもつながる。

友人が転職市場に
優秀な人は流れてこない、
と嘆いていた。

そうかもしれない…。

今いる会社で、「エース」なら、
転職する必要がないからだ。

だから、優秀な人に目星をつけ、
あの手この手でスカウトするのが正しい。


・話題のベンチャーでは、どうしているか?



自らの現在のポジションを弁えて
戦略を練り、1歩目の手を打つ。

今、できることはなんだろうか?
嘆くことか?動くことか?












2014年4月11日金曜日

第144回ドラッカーSkype勉強会

第144回ドラッカーSkype勉強会に参加しました。

毎週【金】の朝6:15~7:00までの間に、
4~7名くらいが1つのグループになって、
『ドラッカー 365の金言』を一つのテキストに
お仕事や実生活を通して感じたことや
思ったことをディスカッションする勉強会に参加しています。

おおまかな流れは、

1、自己紹介、近況報告

2、学習箇所について、参加者自身の
思ったことや疑問点などを順番に発言


意見の正否よりも、皆さんとの意見交換を通して、
結果的に様々な気づきを得られうるというカタチになっています。

週に1回の開催の都合上、『ドラッカー 365日の金言』の
365日を全てをカバーするのは難しいので、
基本的なスタイルとしては、カレンダーに近いところを
予め学習箇所を決めて、掘り下げていくやり方です。

ただ、僕のグループは、
前後ページの関係性の中に、
ヒントがあると考え、出来る限り、
範囲を広げる試みを行っています。

そして、前日までに最初のコールをして
頂くかたを決めておき、事前に
Skypeの相互承認をすませておきます。

さて、金曜日の朝6:15。
コールがかかり、日本一早い?勉強会スタート。

今回のグループには、僕を含め、システムのセキュリティコンサルタント、
メーカーでお勤めの女性社員、プレゼンテーション指導家に
参加してもらいました。

僕が、ファシリテーターを務める場合は、
本文の“アクションポイント”についての意見や疑問を聞き、
その発言に質問をしながら具体的に膨らませることで、
他の参加者にも応用ができる、イメージして頂こうと心掛けています。

4月7日リーダーと普通の人たちとの差は一定である。

【ACTION POINT】
強大なリーダーを配することによって全部門の成績をあげてください。

・500人クラスのTOPなら、やはりカリスマ性がいるかも。
 ただ、小規模の部や課のチームにおいては、①均質化と②ジョブローテーションで回す。

Q【ご質問】
なぜ、均質化とジョブローテーションが必要なのですか?

A【ご回答】
均質化とは、業務レベルの底上げの意。

ジョブローテーションの必要性は、
1つには、業界に安住することで、
ある種のシステムには詳しいが、お客様の
技術動向についていけず、目先の利益、
ルーチンを優先する罠に陥るから。

お客様は変わる。

しかし、ジョブローテーションなく、
自分が変わらなければ、
お客様を自分の枠にはめて
考えてしまう。

大きな業務システムという意味では、
必要なものは変わらなくても、
業界ごとの傾向や特徴があり、
ジョブローテーションを通して、
個人が学びや気づきを得る機会を得ることは、
個人にとっても、会社にとっても重要。

・今、自分には、部下はいない。

上司の立場になれば、ダメと突き放さずに
わかろうとする態度で、聞きたいと思う。

安心して相談できる環境を作りたい。

・リーダーは、三角形の頂点。

横に線を引き、台形の下の部分にメンバーがいると仮定。

リーダーや幹部研修などで上(頂点)を引っ張ることで、
組織という三角形全体が大きくなる。
組織全体への波及効果がある。

資源は、集中投下することが重要。

4月8日リーダーは、権限を委譲する。だが範となるべきことについては自ら率先して行なう。
【ACTION POINT 】
何もかも委譲してしまったら、敬意は期待できません。

・自分の場合は、あまり教育をうけなかったので、
リーダーになったときは、環境整備が重要と思った。

お客様の所で、ひざ詰めで話す上で、
その際に、どういう状況かを確認
するためのチェックリストなどを用意した。

いわば武器を渡しておくという発想。

さらに、コミュニケーション、リーダーシップなど
技術は自分で学ぶとして、それ以外を補完するような
研修にいけるように予算配分に気をつけていた。

背中を見せる+環境を整える(武器を渡す)。

「他人に根性は求めないが、
自分の腹の底には根性を持っていないといけない。」
という言葉を聞いた。自分もそうありたい。

リーダーの弱気は、メンバーに伝播する。

・両極端の人が多い。

全部委譲(丸投げ)するか?、全部自分でやるか?

自分も委ねられなかった。しかし、回らなくなった。
そこで、業務を整理。状況を変えた。

Q【ご質問】どういう風にしたか?

A【ご回答】専門以外は、やらない。

Q【ご質問2】それは、専門に逃げ込むことではないのか?

A【ご回答2】例えば、35歳にもなれば、テリトリーが決まってくる。
       今の強みから、自分の一番遠いところから可能性を切っていく。

       その時間を、専門に集中していくことを考え、
       “強み”に磨きをかける方が、自分を生かし、組織に貢献できる。

・この話は、「模範になれ」ということにウェイトを置いているのではないか?

4月9日マネジメントに携わる者は現実家であって、評論家であってはならない。

【ACTION POINT 】
真摯さを定義してください。
あなたが新人に求める真摯さの中身を明らかにしてください。

・真摯さって何?

この勉強会でもずっと議論のまとになる。
原語はIntegrity。

情報セキュリティの世界にCIAという
3要素があり、そこに、Integrityがでてくる。

ここでは、“完全性”と訳され、意図した状態で、
欠けることなく保持するという意味だ。

Q【ご質問】ちなみに、情報の世界のCIAは、どういうものか?

A【ご回答】「機密性」(Confidentiality)、「完全性」(Integrity)、「可用性」(Availability)

=====================
機密性(Confidentiality)

情報へのアクセス許可のある人だけが情報を利用することができ、
許可の無い者は情報の使用、閲覧が出来なくすること。

【実装技術例】
アクセス制御、 パスワード認証、 PGPによる暗号化、
セキュリティ区画の立ち入り制限。

完全性(Integrity)

情報資産に正確性があり改竄されていないこと。

【実装技術例】
デジタル署名

可用性(Availability)

情報へのアクセス許可のある人が必要な時点で情報にアクセスできること。

【実装技術例】
システム全2重化、サーバのUPS、ハードデスクのRAID構成、
システムのクラウド化。 


=====================

・後輩に何を求めるか?

困ったときに隠すな。

自分でやりきれずとも、周りが知っていることも
助けてあげられることもある。

→しかし、失敗させることで得られることもあるのではないか?
 もちろん、上司としては、その“さじ加減”を間違えてはいけない。

・入社式で言われた、
“逃げるな、ウソをつくな、数字に強くなれ。”
 そうかもしれないなと改めて思う。


・“マネジメントに携わる者は
現実家であって、評論家であってはならない。”
とはどういうものか?

おそらく起こっている現実を、
“対岸の火事”としないということかもしれない。

リーダーは、
「お前ら行け」か?
「俺に続け」か?

変化に対する恐怖に逃げずに立ち向かう。
真摯さ≒勇気?


4月10日いかなる組織も危機に襲われる。そのときがリーダーに頼るときである。

【ACTION POINT 】
あなたの組織が直面する重大な問題を列挙してください。
問題の本質について率直に議論してください。
対策をまとめてください。

・リスクマネジメントは、起こる前の出来事に対して、何が準備できるか?
そのためには、今、何をやるべきなのか?

・激動の時代という切迫感がない。
人口構成が歪。高齢者が多い。
技術継承ができない、その危機感が共有できていない。

現在、OJT計画があっても、キモになる部分の
技術、ノウハウの伝承ができるか心もとない。

Q【ご質問】もし、社長だとしたら、どうすればいいと思うか?

A【ご回答】若くても頼りがいのある人材を動かし、
今でいいと思っている状況を変える。
人事で環境を、まず変える。

・有事がすぐ来週くるとは考えにくい。
だから、後回しにしてきたのだが、できていないと反省。
第2領域に資源を投下しないといけない。




ここまで来て、時間切れ!

【まとめ】

・先輩や年上の方が、どの様に考えているかわかりました。

・参加できてよかったです。

・自分が発言するという前提で準備すると、学びが深くなることを体験できた。


【間に合わなかった課題 あなたは、どう考えますか?】


4月11日リーダーは仕事に目を向ける。重要なのは仕事であって、自らはその道具にすぎない。

【ACTION POINT 】
毎週金曜の午後10分割いて、人のいうことが聞けたか、わかってもらえたか、
やり直せたか、自分を仕事の下におくことができたかについて、
自分あての週間レポートを書いてください。

①最初は、意識できる。しかし、話はじめると、つい忘れてしまう。
②価値を伝えきれたか?都度、相手に確認する。
③失敗分析はもちろん、成功分析もする。失敗には改善を。成功には再生を。
④仕事をより良くすることとの引換に、自分の都合を優先しない。



4月12日 1939年当時、人々にできたのは、望み祈ることだけだった。
【ACTION POINT 】
現実を直視してください。
直面することを避けてきた脅威にはどのようなものがありますか。
それらの問題を解決するための計画を今日、立ててください。

1.商品企画(4月18日まで)
2.リソース配分・実行(開発・制作・販売)
3.進捗管理(月次→改善)

4月13日チャーチルが与えてくれたものこそ道義の権威、価値への献身、行動への信奉だった。

【ACTION POINT 】
あなたの組織の価値観とリーダーの価値観とを照合してください。
両者をすり合わせ、行動に具体化する方法を考えてください。

利益は重要。それ以上の価値観の共有がはかるために、
クライアントのために何ができるか?それをどう実現するか?
提案した後のフィードバックを共有する。



4月14日 社内に友人がいたのでは公正たりえない。


【ACTION POINT】 
部下については、好き嫌いではなく、成果と人物を気にしてください。

「成果と人物の2つのバランスをどう取るか?」

“大学の時に、試合直前の練習を休んだプレイヤーの出場を認めるか?”
そんな出来事があったのを思い出した。

いわゆる学生スポーツで、
“企業≒成果≒勝利”を優先するか?
“NPO≒人物≒チームへの真摯さ”を優先するか?
そんなことを感じた。(当時NPOなんて言葉は知らなかったが…。)

「真摯さ」とは何か?
「チームにとって大事なこと」は何か?

正直、これは、対立概念にしてはいけない、と思う。ただ、順序はある。
結論から言えば、「チームの勝利」を最大の成果と考え、出場させた。

かたや、真面目に練習に参加し、
試合に出場できないチームに貢献している先輩やメンバーには、
自分の考えをわかってもらえるように、話したことを覚えている。


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「戦略的な意思決定では、
範囲、複雑さ、重要さがどうであっても、
初めから答えを得ようとしてはならない。
重要なことは、正しい答えを見つけることではない。
正しい問いを見つけることである」
(『現代の経営』)

正しい問いを立てるために、
“全体”を見なければいけないのだけど、

どこまでを“全体”とするべきか?

この設定の仕方を間違えると、“選択と集中”できず、
自分たちの“強み”が活きなくなり、市場に埋没してしまう。

“バランス”が難しいけど、
日々考えるに値する“問題”だと思う。


参加者の野村さんが、ブログにまとめていただきました。
http://www.mercurich.com/study-team/