第144回ドラッカーSkype勉強会に参加しました。
毎週【金】の朝6:15~7:00までの間に、
4~7名くらいが1つのグループになって、
『ドラッカー 365の金言』を一つのテキストに
お仕事や実生活を通して感じたことや
思ったことをディスカッションする勉強会に参加しています。
おおまかな流れは、
1、自己紹介、近況報告
2、学習箇所について、参加者自身の
思ったことや疑問点などを順番に発言
意見の正否よりも、皆さんとの意見交換を通して、
結果的に様々な気づきを得られうるというカタチになっています。
週に1回の開催の都合上、『ドラッカー 365日の金言』の
365日を全てをカバーするのは難しいので、
基本的なスタイルとしては、カレンダーに近いところを
予め学習箇所を決めて、掘り下げていくやり方です。
ただ、僕のグループは、
前後ページの関係性の中に、
ヒントがあると考え、出来る限り、
範囲を広げる試みを行っています。
そして、前日までに最初のコールをして
頂くかたを決めておき、事前に
Skypeの相互承認をすませておきます。
さて、金曜日の朝6:15。
コールがかかり、日本一早い?勉強会スタート。
今回のグループには、僕を含め、システムのセキュリティコンサルタント、
メーカーでお勤めの女性社員、プレゼンテーション指導家に
参加してもらいました。
僕が、ファシリテーターを務める場合は、
本文の“アクションポイント”についての意見や疑問を聞き、
その発言に質問をしながら具体的に膨らませることで、
他の参加者にも応用ができる、イメージして頂こうと心掛けています。
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4月7日リーダーと普通の人たちとの差は一定である。 |
【ACTION POINT】
強大なリーダーを配することによって全部門の成績をあげてください。
・500人クラスのTOPなら、やはりカリスマ性がいるかも。
ただ、小規模の部や課のチームにおいては、①均質化と②ジョブローテーションで回す。
Q【ご質問】
なぜ、均質化とジョブローテーションが必要なのですか?
A【ご回答】
均質化とは、業務レベルの底上げの意。
ジョブローテーションの必要性は、
1つには、業界に安住することで、
ある種のシステムには詳しいが、お客様の
技術動向についていけず、目先の利益、
ルーチンを優先する罠に陥るから。
お客様は変わる。
しかし、ジョブローテーションなく、
自分が変わらなければ、
お客様を自分の枠にはめて
考えてしまう。
大きな業務システムという意味では、
必要なものは変わらなくても、
業界ごとの傾向や特徴があり、
ジョブローテーションを通して、
個人が学びや気づきを得る機会を得ることは、
個人にとっても、会社にとっても重要。
・今、自分には、部下はいない。
上司の立場になれば、ダメと突き放さずに
わかろうとする態度で、聞きたいと思う。
安心して相談できる環境を作りたい。
・リーダーは、三角形の頂点。
横に線を引き、台形の下の部分にメンバーがいると仮定。
リーダーや幹部研修などで上(頂点)を引っ張ることで、
組織という三角形全体が大きくなる。
組織全体への波及効果がある。
資源は、集中投下することが重要。
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4月8日リーダーは、権限を委譲する。だが範となるべきことについては自ら率先して行なう。 |
【ACTION POINT 】
何もかも委譲してしまったら、敬意は期待できません。
・自分の場合は、あまり教育をうけなかったので、
リーダーになったときは、環境整備が重要と思った。
お客様の所で、ひざ詰めで話す上で、
その際に、どういう状況かを確認
するためのチェックリストなどを用意した。
いわば武器を渡しておくという発想。
さらに、コミュニケーション、リーダーシップなど
技術は自分で学ぶとして、それ以外を補完するような
研修にいけるように予算配分に気をつけていた。
背中を見せる+環境を整える(武器を渡す)。
・「他人に根性は求めないが、
自分の腹の底には根性を持っていないといけない。」
という言葉を聞いた。自分もそうありたい。
リーダーの弱気は、メンバーに伝播する。
・両極端の人が多い。
全部委譲(丸投げ)するか?、全部自分でやるか?
自分も委ねられなかった。しかし、回らなくなった。
そこで、業務を整理。状況を変えた。
Q【ご質問】どういう風にしたか?
A【ご回答】専門以外は、やらない。
Q【ご質問2】それは、専門に逃げ込むことではないのか?
A【ご回答2】例えば、35歳にもなれば、テリトリーが決まってくる。
今の強みから、自分の一番遠いところから可能性を切っていく。
その時間を、専門に集中していくことを考え、
“強み”に磨きをかける方が、自分を生かし、組織に貢献できる。
・この話は、「模範になれ」ということにウェイトを置いているのではないか?
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4月9日マネジメントに携わる者は現実家であって、評論家であってはならない。 |
【ACTION POINT 】
真摯さを定義してください。
あなたが新人に求める真摯さの中身を明らかにしてください。
・真摯さって何?
この勉強会でもずっと議論のまとになる。
原語はIntegrity。
情報セキュリティの世界にCIAという
3要素があり、そこに、Integrityがでてくる。
ここでは、“完全性”と訳され、意図した状態で、
欠けることなく保持するという意味だ。
Q【ご質問】ちなみに、情報の世界のCIAは、どういうものか?
A【ご回答】「機密性」(Confidentiality)、「完全性」(Integrity)、「可用性」(Availability)
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機密性(Confidentiality)
情報へのアクセス許可のある人だけが情報を利用することができ、
許可の無い者は情報の使用、閲覧が出来なくすること。
【実装技術例】
アクセス制御、 パスワード認証、 PGPによる暗号化、
セキュリティ区画の立ち入り制限。
完全性(Integrity)
情報資産に正確性があり改竄されていないこと。
【実装技術例】
デジタル署名
可用性(Availability)
情報へのアクセス許可のある人が必要な時点で情報にアクセスできること。
【実装技術例】
システム全2重化、サーバのUPS、ハードデスクのRAID構成、
システムのクラウド化。
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・後輩に何を求めるか?
困ったときに隠すな。
自分でやりきれずとも、周りが知っていることも
助けてあげられることもある。
→しかし、失敗させることで得られることもあるのではないか?
もちろん、上司としては、その“さじ加減”を間違えてはいけない。
・入社式で言われた、
“逃げるな、ウソをつくな、数字に強くなれ。”
そうかもしれないなと改めて思う。
・“マネジメントに携わる者は
現実家であって、評論家であってはならない。”
とはどういうものか?
おそらく起こっている現実を、
“対岸の火事”としないということかもしれない。
リーダーは、
「お前ら行け」か?
「俺に続け」か?
変化に対する恐怖に逃げずに立ち向かう。
真摯さ≒勇気?
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4月10日いかなる組織も危機に襲われる。そのときがリーダーに頼るときである。 |
【ACTION POINT 】
あなたの組織が直面する重大な問題を列挙してください。
問題の本質について率直に議論してください。
対策をまとめてください。
・リスクマネジメントは、起こる前の出来事に対して、
何が準備できるか?
そのためには、
今、何をやるべきなのか?
・激動の時代という切迫感がない。
人口構成が歪。高齢者が多い。
技術継承ができない、その危機感が共有できていない。
現在、OJT計画があっても、キモになる部分の
技術、ノウハウの伝承ができるか心もとない。
Q【ご質問】もし、社長だとしたら、どうすればいいと思うか?
A【ご回答】若くても頼りがいのある人材を動かし、
今でいいと思っている状況を変える。
人事で環境を、まず変える。
・有事がすぐ来週くるとは考えにくい。
だから、後回しにしてきたのだが、できていないと反省。
第2領域に資源を投下しないといけない。
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ここまで来て、時間切れ! |
【まとめ】
・先輩や年上の方が、どの様に考えているかわかりました。
・参加できてよかったです。
・自分が発言するという前提で準備すると、学びが深くなることを体験できた。
【間に合わなかった課題 あなたは、どう考えますか?】
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4月11日リーダーは仕事に目を向ける。重要なのは仕事であって、自らはその道具にすぎない。 |
【ACTION POINT 】
毎週金曜の午後10分割いて、人のいうことが聞けたか、わかってもらえたか、
やり直せたか、自分を仕事の下におくことができたかについて、
自分あての週間レポートを書いてください。
①最初は、意識できる。しかし、話はじめると、つい忘れてしまう。
②価値を伝えきれたか?都度、相手に確認する。
③失敗分析はもちろん、成功分析もする。失敗には改善を。成功には再生を。
④仕事をより良くすることとの引換に、自分の都合を優先しない。
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4月12日 1939年当時、人々にできたのは、望み祈ることだけだった。 |
【ACTION POINT 】
現実を直視してください。
直面することを避けてきた脅威にはどのようなものがありますか。
それらの問題を解決するための計画を今日、立ててください。
1.商品企画(4月18日まで)
2.リソース配分・実行(開発・制作・販売)
3.進捗管理(月次→改善)
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4月13日チャーチルが与えてくれたものこそ道義の権威、価値への献身、行動への信奉だった。 |
【ACTION POINT 】
あなたの組織の価値観とリーダーの価値観とを照合してください。
両者をすり合わせ、行動に具体化する方法を考えてください。
利益は重要。それ以上の価値観の共有がはかるために、
クライアントのために何ができるか?それをどう実現するか?
提案した後のフィードバックを共有する。
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4月14日 社内に友人がいたのでは公正たりえない。 |
【ACTION POINT】
部下については、好き嫌いではなく、成果と人物を気にしてください。
「成果と人物の2つのバランスをどう取るか?」
“大学の時に、試合直前の練習を休んだプレイヤーの出場を認めるか?”
そんな出来事があったのを思い出した。
いわゆる学生スポーツで、
“企業≒成果≒勝利”を優先するか?
“NPO≒人物≒チームへの真摯さ”を優先するか?
そんなことを感じた。(当時NPOなんて言葉は知らなかったが…。)
「真摯さ」とは何か?
「チームにとって大事なこと」は何か?
正直、これは、
対立概念にしてはいけない、と思う。ただ、順序はある。
結論から言えば、「チームの勝利」を最大の成果と考え、出場させた。
かたや、真面目に練習に参加し、
試合に出場できないチームに貢献している先輩やメンバーには、
自分の考えをわかってもらえるように、話したことを覚えている。
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「戦略的な意思決定では、
範囲、複雑さ、重要さがどうであっても、
初めから答えを得ようとしてはならない。
重要なことは、正しい答えを見つけることではない。
正しい問いを見つけることである」(『現代の経営』)
正しい問いを立てるために、
“全体”を見なければいけないのだけど、
どこまでを“全体”とするべきか?
この設定の仕方を間違えると、
“選択と集中”できず、
自分たちの
“強み”が活きなくなり、市場に埋没してしまう。
“バランス”が難しいけど、
日々考えるに値する“問題”だと思う。
参加者の野村さんが、ブログにまとめていただきました。
http://www.mercurich.com/study-team/