村上春樹は、いろんなことをメタファーとして盛り込む。
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」、読みました。
ネタバレしない程度に、うがった感想を少々・・・。
「歴史は、消すことも作りかえることもできないの。
それは、あなたという存在を殺すのと、同じだから。」
それは、あなたという存在を殺すのと、同じだから。」
その昔、5大国と呼ばれていた日本は、
なぜ、その地位を脅かされたのだろうか?
なぜ、その地位を脅かされたのだろうか?
その謎は、今もって、明確な答えはない。
「色彩」とは、特徴、個性。
故郷 名古屋を離れ、東京で、大学生活を送る主人公。
特徴はない、あえて言えば、仲間の中で裕福なことくらい。
それ以外、特徴のない自分がこの仲間に入れた奇跡を、
心底うれしく大事に思う彼は、「脱亜入欧」を果たした、
第一次世界大戦後の日本そのもの。
第一次世界大戦後の日本そのもの。
名古屋の高校生として、自分を含め、5人の
才能あふれるグループの中にいれてもらった彼は、
才能あふれるグループの中にいれてもらった彼は、
20歳のころ、友人から突然、断絶をうけて、自殺を考えるようになる…。
その理由は、わからない。自分でも確かめていない。
今となっては、確かめようもない。
今となっては、確かめようもない。
つまり、色彩(特徴)のない
主人公 多崎つくるは、日本のメタファー。
主人公 多崎つくるは、日本のメタファー。
だとしたら、「巡礼の年」とは何を意味するんでしょうか?
ますます、謎が深まりますね・・・。
村上春樹は、一冊の本の中に、いろんなことをつなげ、
推理小説のようにも、歴史小説のようにも、
官能小説のようにも、恋愛小説のようにも、
読める楽しさと、ぐいぐい引き込まれるスリリングさがある。
読める楽しさと、ぐいぐい引き込まれるスリリングさがある。
もちろん、これは、かなり奇をてらった読み方といわれるのは、百も承知。
でも、彼の狙いが、ノーベル文学賞)ならば、案外なくもないと思うのですが・・・。
さて、みなさんは、どう読まれますか?
でも、彼の狙いが、ノーベル文学賞)ならば、案外なくもないと思うのですが・・・。
さて、みなさんは、どう読まれますか?
2 件のコメント:
ぼくも、小説に登場する人物が
世界を比喩していると思いました。
ものづくりが得意なつくるくんは、
日本を暗に示唆しているように感じました。
シロが理不尽に殺されてしまったことについて、
つくるもクロも、
「自分にも責任があったのではないか」と
発言しています。
世界中の国がこのように
他国の痛みを親身に考えられたら、
もっと戦争が減るだろうに、と思います。
runotさん、そうですね。
国が一つになれば、戦争もなくなる、
でも、それがいやな人もいる。
長い間、人類が解決できない問題です。
僕らが生きているうちに
解決できないでしょうが、
未来に希望は持ちたいですね。
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