少なからず、コメントを頂きました。
今の社会を考える上で、とても示唆に富んでいると感じ、
少し掘り下げて考えてみることにしました。
ポイントとしては、3つ。
1.アファーマティブアクションが持つ不公平感について
2.アファーマティブアクションめぐる人々について
3.女性車両の実際的な価値について
まず、アファーマティブアクションとは、積極的差別是正措置。
平たく言うと、社会的弱者の救済策。
例としては、教育機関で行われているマイノリティ出願者への優遇策。
例としては、教育機関で行われているマイノリティ出願者への優遇策。
そもそも、アファーマティブアクションの理論的背景になった
ジョン・ロールズの考え方を見てみましょう。
ジョン・ロールズ(John Rawls, 1921年2月21日 - 2002年11月24日)は、アメリカ合衆国の哲学者。主に倫理学、政治哲学の分野で功績を残し、共同体主義に大きな影響を与えた。 |
ロールズは、2つのコンセプト「無知のヴェール」と「格差原理」を提示します。
これは、社会で平等がなされるための一種の思考実験です。
これは、社会で平等がなされるための一種の思考実験です。
最初に、自分がどんな地位や立場にいるか
わからない状態(無知のヴェール)で、
人々が合意できることは、
わからない状態(無知のヴェール)で、
人々が合意できることは、
①平等に「自由」を得ていること、
②もし、誰かがすごいお金持ちになり自分が極貧になっても、
自分を助けてくれる仕組みがあること。(格差原理)だとロールズは考えました。
自分を助けてくれる仕組みがあること。(格差原理)だとロールズは考えました。
ロールズは、個人の努力さえも、例えば、生まれなど、
自らに起因するものではない、そして、その才能は、
自らに起因するものではない、そして、その才能は、
「社会的弱者」に還元されてこそ、意味を持つのだと考えました。
彼の「正義」論は、経済や人種など幅広い分野で、
格差が拡大しつつあった1960-70年代のアメリカで浸透していったそうです。
では、本題に戻ります。
1.アファーマティブアクションが持つ不公平感について
>50人合格のアメリカ企業入社試験で、10%以上の黒人を合格させなければいけない。
>上位46位の白人は絶対入社できない。黒人は、上位50位まで入社可能性がある。
>それって公平?それとも不公平?
「公平」か「不公平」か、と言えば、その立場によって考え方は異なる。
『アファーマティブアクションを支持者が掲げる3つの理由』
1)テストの差を補正する
2)過去の過ちを補償する
3)多様性を促進する
があるそうです。
これに照らして考えると、どうなんでしょうか?
多様性を取り入れることで、企業は成長することはありますし、
また、テストだけで、合格者を決めることも違うという意見もあります。
マイノリティは経済的ハンディキャップから、十分な教育を受けるチャンスを
得られないということもあるでしょう。
(もちろん、例外はどのケースでも多く見受けられますが…。)
ちなみに、かの偉大な演説家、若き日のマーチン・ルーサー・キングJrは、
アファーマティブアクションの恩恵で、大学入学を認められた一人だそうです。
ただ、実際問題として、アメリカでは、仮に、企業がこれを実行せずに、
「差別」を助長する企業と認定されると、
巨額の賠償金を払わなければなりません。
「差別」を助長する企業と認定されると、
巨額の賠償金を払わなければなりません。
おそらく、不買運動にさらされもするでしょう。
ここまで来ると、これは「公平」とか「不公平」とは何か、の問題ではなく、
今、正しいとされる『差別のない社会』へ、どう対応するという、
リスク対策の話になり下がります。とても悲しい現実ですが・・・。
また、その事実を裏付けるように、アメリカの履歴書には、
生年月日も、写真を貼るところもないそうです。
生年月日も、写真を貼るところもないそうです。
それは、『差別のない社会』を実現するために、人種・宗教・年齢・性別で、差別をすることは許されないからです。
これが、世界で『すでに起った未来』です。
それゆえ、何かあったときに、自分の感じる「正義」を、
きちんと、「社会通念」「公益」に照らして、
社会(他者)に説明する備えが必要だと思います。
社会(他者)に説明する備えが必要だと思います。
結論で言えば、アファーマティブアクションについての是非、即ち
「公平」か「不公平」かを考えるのは、立場で異なる。
「公平」か「不公平」かで論ずるには、あまりにも多くの問題をかかえている。
自分(自社)の考えと、社会の価値観に沿った考えを
説明する場合に、備えておくことが大事。
説明する場合に、備えておくことが大事。
すみません。思いのほか、長くなりましたので、
またの2つの次の機会で。
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