望みを託す対象の出現を希求するもの。
“困ったときの神頼み”
誰もが、1度は、経験したことがあるのでは?
平たく言えば、“自分を不幸にしない”ことが、
操られないたった1つの防御策と言えるのではないでしょうか?
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オリンピック、2020年の東京開催に決まりましたね。
賛否両論ありますが、個人的には、とても楽しみにしています。
さて、それと関連付けるわけではないですが、
歴史上、最も早く、オリンピックに神聖なイメージを与え、
国家意識と関連付けて、盛大な祝典に変えた政治家は誰か?
Source: "Kirinuke" |
ドラッカーは、ヒトラーが焦らず、じっくり5年くらいかけて、
根回しをしていれば、ヨーロッパは、全て国家社会主義に
席巻されていたかもしれないと言っています。
なぜか?
それだけ、大衆は、経済の混乱に疲弊し、苦しんでいたからです。
ドラッカーは、第1次世界大戦後の世界の状況を見て、
国家社会主義の本質は、軍国主義や弾圧や暴力ではなく、
“脱経済市場主義”にあったと考えました。
だから、資本主義や社会主義にも嫌気がさしていた、
当時のヨーロッパの人々は、自らを“幸せ”にしてくれる
新しい“主義”に魅了されたのは、ある意味当然の帰結でした。
(詳しくは、『経済人の終わり-全体主義はなぜ生まれたか』)
さて、本質はわかっても、
どう扇動されたか?ということがわからないと、
どこで、道を間違えたかに気づくことはできません。
“人間は誰でも自由意思で、行動しているように見えるが、
実は、人間なら共通に持っている心の動きがある。
それは、何か刺激を与えれば、誰でも同じように反応するというものだ。
例えば、暗い場所で隅から光をさしてくれば、人は光の方向に目を向ける。”
(『ヒトラーの大衆扇動術』より)
ヒトラーは、“不幸な状況”を生み出した原因を、
「ドイツ民族を分裂させようと企んでいる全ての人間」のせいにして、
“共通の敵”としてのユダヤ人やマルクス主義者を排斥。
つまり、“共通の敵”が出てきた場合、いったん、冷静に考えた方がいい。
誰か、得する人がいるんじゃないかと。
ただ、難しいのは、そうなるときの、
チームをまとめる“目標”、“ビジョン”の扱い方。
言い方は違えども、どう区別するのか?という問題がでてくる。
これは、「哲学」の問題。だからこそ、“良き方向”とは何か?は、重要。
(丁寧に話さないといけないので、今日のところはご勘弁を。)
さて、戦後賠償で、失業率40%とも言われた、
とんでもない“不幸な状況”の中、ドイツ国民は、
ヒトラーを生み出し、結果、意のままに動かされてしまった。
つまり、操られないたった1つの方法とは、
“自分を不幸にしない”こと。
そのためにも、
1)衣食住を確保できうる経済的基盤。
2)自らを無価値にさせない社会的基盤。
この2つは、最低限、必要。
「歴史に学ぶ」ということは、
歴史上で起こったことを、現代的に解釈すること。
そして、それを自らの状況に当てはめ考え、行動すること。
そうでないと、自らの“不幸”に際し、
同じ手口で、まだ見ぬ“ヒトラー”に操られないとも、限らない…。
ちなみに、ヒトラーが、民主主義の手続きを踏んで、
政権を取ってから、まだ、100年も経っていない…。
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