2013年9月27日金曜日

【ちょっと気になるアート入門19 フランシス・ベーコン1909-1992】『なんとなく、ジワっとくる…』


強烈なインパクトによって、収まり切らない違和感。
アトリエの写真を前に、ベーコンの声を聞く。


フランシス・ベーコンのアトリエ

「自分の作品は、何も意味しないし、何も語らない。
自分自身も何も話すことはない。

だって言葉で説明できるものなら
わざわざ絵に描く必要なんてないからね。」


ストーリーを作る要素をばっさり、削りとられていることで、
理解されることを拒んでいるのかもしれない。
そういう意味では、このような解釈すら不要なのかもしれない。

また、彼はこうも言う。

「アーティストは、感情のバルブの
ロックを外すことができるんだ。

そうやって、絵を眺めている人たちを、
無理矢理にでも生(life)に立ち戻らせることができるんだよ。」

≪人物像習作 II》1945-46年 ハダースフィールド美術館蔵
なんとなく、ジワっとくる…。

ガラス一枚を隔てることで、
作品と対象者との間に線をひき、
あえて、その境目を行ったり来たりさせているようだ。

写実的なところと抽象的なところ。
バランスとアンバランス。
計算されたことと偶発されたこと。
二次元と三次元。
聖と俗。
あちらとこちら。

ベーコン自身は、形を正面からみても、
よくわからない絵を描くのに、
写実的なベラスケスの教皇の絵に、
強いリスペクトを持っていたりする。

映画監督のデビット・リンチや
前衛的な舞踏家らに、影響を与えた独特の作風。

このような事実一つとっても、
ものの見方の多様性を感じられる。


《ジョージ・ダイアの三習作》1969年 ルイジアナ近代美術館


目撃せよ。体感せよ。記憶せよ。

これは、展覧会のコピーであるが、それは恐らく、
彼の三幅対にかけているんでしょう。


なかなかうまい。


人間の性的指向は大まかに

異性愛(ヘテロセクシュアル)
同性愛(ホモセクシュアル)
両性愛(バイセクシュアル)
無性愛(ア・セクシュアル)

にわけられる。

そして、ベーコンは、同性愛の芸術家として知られる。

作家の内面、性質、環境が、作品に影響するのは自明だが、
どの部分が、どのように、表出しているか、
とここまで書いても、まだまだわからない…。

これからの人生を通してなのか、いつかわかるのか?
わからないまま、人生を終えるのか?

どうなるかわからない。


そう、人生はわからないもんだ。

わからないものを、わからない。

たまに、そんなものに出くわすのも悪くない…。


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facebookに投稿をした以前のものを、ブログ転載を機に、バージョンアップさせました。
※彼の生涯を取り上げた映画

愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像(1998)


http://goo.gl/xclm5c





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