2013年9月15日日曜日

【アファーマティブアクションめぐる人々について】

先日のブログについて、facebookを通して、
少なからず、コメントを頂きました。

今の社会を考える上で、とても示唆に富んでいると感じ、
昨日に引き続き、もう少し掘り下げて考えてみることにしました。

ポイントとしては、3つ。

2.アファーマティブアクションめぐる人々について
3.女性車両の実際的な価値について



ポジティブ・アクション普及・促進のためのシンボルマーク「きらら」

 日本ではアファーマティブ・アクションの中で、特に女性に対しての積極的改善措置のことを、英語のアファーマティブ・アクション(肯定的措置)ポジティブ・ディスクリミネーション(肯定的差別)を組み合わせて造語した日本独自の和製英語でポジティブ・アクションと呼び、厚生労働省が中心となって女性の活躍や格差解消を推進しています。

具体的には、固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、管理職は男性が大半を占めているなど、男女労働者の間に生じている事実上の格差の解消を目指して、女性の採用拡大・職域拡大・管理職登用の拡大など、個々の企業が進める自主的かつ積極的な取り組みをいいます。

もちろん、アファーマティブアクションやポジション・アクションには、否定的な意見もあります。
優秀な人(適材)を、適所で登用すればいいのであって、そこに男女は、関係ないのではないか?
なるほど、個人的には、なんとなく理解ができます。


ここでは、2.アファーマティブアクションめぐる人々について、考えてみます。
こんなコメントをいただきました。

>個人的な経験です。アファーマティブアクションを扇動する女性たちを見ていると、
>過去に深い心の傷を背負っている人が多いと思います。
>相当信頼関係が無いと、そのトラウマ体験を表に出すことはしません。

>それ故に、男=敵 みたいな図式が頭の中にできてしまっていて、
>感情を無理やり理屈に置き換える気がしています。

>その過激な思想と発言自身が、女性自身の社会進出を阻んて、
>男性から益々偏見と奇異の眼で見られてしまうことに、気づかないのだろうか。
>もっと、合理的で建設的に男女が仲良く暮らせる社会が実現できないものか。
>出生率2以上にしないと、この国は破たんするでしょう。

>そのためには、女性が安心して暮らせる社会を実現しないと。
>安心して子供を産み育てられる社会にしていかないと。
>いまの、男=敵 をベースとした、アファーマティブアクションには反対です。

なるほど、一理ありますね。

(1)“あとちょっとで、優遇対象になれない人々”→ “弱者”化
優遇対象でないグループによる優遇対象獲得の政治活動を誘発。

(2)“本来の意味から外れて、制度の特権だけを享受する人々、割を食う人々”
→“逆差別”化
優遇対象グループのうちでもっとも恵まれているもの(例:黒人の中・上流階級)が
非優遇対象グループのうちで、最も恵まれていないもの(例:白人の貧民層の勤勉な学生)を
犠牲とする形で制度の恩恵を浴す傾向。

(3)“努力を否定されていた人々”→“向上心”の無意味化
優遇対象側は努力する必要が無くなり、非優遇対象側は努力しても仕方がないとなり、
両方の向上心が削がれることによって、社会全体で競争が阻害される。

(4)“同じ人種の中で、階層間での戦いにはまる人々”→“引き起こされた問題”の深刻化
制度によって、優遇対象群と非優遇対象群の対立が深刻化。
アメリカを例にあげれば、白人の貧民層の黒人に対する憎悪を増幅させるだけでなく、
優遇措置と無関係の黒人の貧民層と黒人の中・上流階層の対立も…

(5)“扇動する人々”→問題の複雑化
頂いたコメントの中にもありましたように、ある特定の考えにふりきって扇動する人々や、
女性専用車両に、気づかずに入った男性に“冷たい視線”を浴びせるような人々。

このように、アファーマティブアクションには、様々な人々が関わっています。

 “弱者”になろうと画策したり、逆差別が生まれたり、向上心の減退を招いたり。
また、問題解決を複雑にする扇動する人々があらわれて、また新しい対立が生まれたり、と、
アファーマティブアクションには、確かに問題が多いかもしれません。

もちろん、社会における、アファーマティブアクションによる取り組みは、
問題解決策の1つにすぎません。

ましてや、唯一の正解じゃない。
いわば、実験です。

ただ、こういった様々な実験を繰り返す中でしか、見えてこないものだってあるはず。
取り返しのつかない実験があるのも事実です・・・。

だからこそ、我々は、これからの社会は、どのように進んでいくのか?に、
実験に関心を示しつつ、社会とのかかわり方を考えていく必要があるのです。

すみません。

また思いのほか、長くなりましたので、残りの次の機会で。

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